※本コラムは、不登校をテーマに全4回でお届けします。
 「なぜ行けなくなるのか」「どう関わればいいのか」「どんな選択肢があるのか」。
  焦らず、一つずつ整理しながら考えていくシリーズです。

 子どもが「学校に行けない」と聞くと、多くの親はまず戸惑います。
「甘えているだけじゃない?」

「少し休めば行けるようになるはず」

「このまま行けなくなったらどうしよう」

不安、焦り、罪悪感。

それらが一気に押し寄せてくるのは、とても自然なことです。
でも、最初に知っておいてほしいのは——

不登校は“特別な家庭”や“特別な子”だけに起きるものではないということです。

不登校学校に行きたくない1

■ 不登校は、今や誰にでも起こりうること
近年、不登校の子どもは年々増えています。
背景には、学校環境の変化、情報量の多さ、人間関係の複雑さなど、
子どもを取り巻くストレスの増加があります。

「前は普通に通えていたのに、ある日突然行けなくなった」
そんなケースも、実は少なくありません。

これは怠けでも、根性不足でもありません。
多くの場合、心のエネルギーが限界を迎えた結果なのです。

😢朝の腹痛や涙は「わがまま」ではない

📝たとえば、こんな子がいます

夜は元気に過ごしているのに、
朝になると決まってお腹が痛くなる小学生。
登校時間が近づくにつれて顔がこわばり、
「今日は休みたい」と涙が出てしまう。
本人も理由をうまく説明できず、
親も「どうして?」と困ってしまう。

不安そうな朝の子どものイラスト

このような場合、子どもは「行きたくない」のではなく、
行こうとすると体が強く拒否反応を起こしている状態なのです。

強い不安や緊張が続くと、脳は「危険だ」と判断し、体を守ろうとします。
その結果、腹痛や頭痛、吐き気などの症状として表に出ることがあります。

本人も「なぜこんなに苦しいのか」が分からないことが多く、
それがさらに自分を責める気持ちにつながってしまうことがあります。

⬛︎周りからは見えない「がんばりすぎ」

📝別の子は、こんな様子でした。


授業中は静かで真面目。
先生から見れば「問題のない子」。
でも家に帰ると、どっと疲れて無口になり、
夜になると「明日が不安」と眠れなくなる

眠れない子どものイラスト

このような場合、子どもは「行きたくない」のではなく、
行こうとすると体が強く拒否反応を起こしている状態なのです。

学校では気を張り続け、家に帰ってから一気に緊張が切れる――
そんな子は決して少なくありません。

特に、人の気持ちに敏感な子や、「ちゃんとしなきゃ」と思いが強い子ほど
周囲に気づかれないまま疲れを溜め込んでしまいます。

⬛︎ 気質や特性によって、疲れやすさは違う
子どもによって、感じ方や疲れやすさは大きく違います。
たとえば――
音や人の多さに敏感な子。
空気を読みすぎてしまう子。
完璧にやろうとして自分を追い込んでしまう子。

HSC(ひといちばい敏感な子)や、
ADHD・ASDなどの発達特性がある場合、
集団生活そのものが大きな負荷になることもあります。

これは「弱さ」ではなく、特性です。
環境との相性が合わなくなったとき、心が先に限界を迎えることがあるのです。

⬛︎「前は行けていたのに」というケースも多い

📝よくあるのが、こんなパターンです。


新学年になってクラス替えがあり、
担任や友達の雰囲気が変わった。
最初は我慢して通っていたけど、
ある日を境に、朝起きられなくなってしまった。

学校に行きたくなさそうな子どものイラスト

この子の場合は、「突然行けなくなった」のではなく、
少しずつ無理を重ねていた結果、心のブレーキがかかったケースです。

⬛︎「行けない」のではなく、「今は行けない」
大切なのは「この子は学校に行けない子なんだ」と決めつけないこと
多くの不登校は、“今は行けない状態”なだけです。
心の体力が回復すれば、形は違っても、また学びや社会とつながる道は見えてきます。

まずは、「どうして行けないのか」よりも、
この子が「どれだけ頑張ってきたのか」に目を向けてみてください。

⬛︎ 第1回のまとめ
不登校は、失敗でも後退でもありません。
それは、子どもの心が壊れてしまう前に出したブレーキなのです。

次回は、
家庭でできる関わり方と、親が自分を追い詰めすぎないためのヒントについて、
具体的にお話ししていきます。